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Wh(ワットアワー)とmAh(ミリアンペアアワー)の違いと変換方法
公開日:2026年5月13日
ポータブル電源やモバイルバッテリーを選んでいると、Wh(ワットアワー)やmAh(ミリアンペアアワー)という単位をよく見かけます。ポータブル電源では「500Wh」「1000Wh」のようにWhで表示されることが多く、モバイルバッテリーでは「10,000mAh」「20,000mAh」のようにmAhで表示されることが多いです。
ここで迷いやすいのが、「500Whと20,000mAhはどちらが大きいのか」「mAhをWhに変換できるのか」「ポータブル電源の容量をmAhで見るとどれくらいなのか」という点です。結論から言うと、容量を正しく比較するならWhで見るのが基本です。mAhは電圧Vとセットで考えないと、実際のエネルギー量を比較できません。
この記事では、WhとmAhの違い、変換式、計算例、ポータブル電源とモバイルバッテリーのラベルの読み方、よくある間違いを初心者向けに整理します。

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まず結論:容量比較はWhで見る
ポータブル電源やモバイルバッテリーの容量を比べるときは、Whでそろえると分かりやすくなります。Whは「どれくらいの電力量を蓄えられるか」を表す単位です。たとえば500Whなら、理論上は500Wの機器を約1時間、100Wの機器を約5時間動かせるだけの電力量というイメージです。ただし、実際には変換ロスや保護制御があるため、計算どおりにすべて使えるわけではありません。
一方、mAhは「どれくらいの電気量を流せるか」を表す単位です。モバイルバッテリーやスマートフォンのバッテリー容量でよく使われます。ただし、mAhは電圧が違うと意味が変わります。同じ10,000mAhでも、3.7Vのバッテリーと12Vのバッテリーでは、蓄えている電力量が大きく異なります。
ざっくり覚えるなら
- Wh:電力量。家電をどれくらい動かせるかを見るときに便利。
- mAh:電気量。スマホやモバイルバッテリーの容量表示でよく使われる。
- mAhだけでは比較できない:電圧Vが違うと、同じmAhでもWhが変わる。
- 変換式:Wh = mAh × V ÷ 1000。
ポータブル電源は家電を動かす用途が多いため、Whで表示されることが一般的です。モバイルバッテリーはスマートフォンなど小型機器の充電用途が中心なので、mAhで表示されることが多くあります。どちらもバッテリー容量に関係する単位ですが、見ているものが少し違うと考えると整理しやすくなります。
Whとは何か
Whは「ワットアワー」と読みます。W(ワット)は電力、h(時間)は時間を表します。つまりWhは、電力Wをどれくらいの時間使えるかを示す電力量の単位です。
たとえば、消費電力100Wのテレビを5時間使うと、100W×5時間=500Whの電力量を使います。消費電力50Wの電気毛布を8時間使うと、50W×8時間=400Whです。このように、家電を何時間使えるかを考えるとき、Whはとても扱いやすい単位です。
ポータブル電源で「容量500Wh」と書かれている場合、単純計算では100Wの機器を約5時間使える目安になります。ただし、AC出力を使う場合は内部のDC電力をAC100Vへ変換するため、インバーターの変換ロスがあります。さらに気温、バッテリー劣化、使用する出力端子、製品ごとの制御によって実際の使用時間は変わります。
| 機器の例 | 消費電力の例 | 5時間使った場合 |
|---|---|---|
| LEDライト | 10W | 50Wh |
| 扇風機 | 30W | 150Wh |
| 電気毛布 | 50W | 250Wh |
| 小型冷蔵庫 | 60W | 300Wh |
この表はあくまで単純計算の例です。冷蔵庫のようにコンプレッサーがオン・オフする機器は、常に同じW数で動き続けるとは限りません。実際の使用時間は、機器の動作モードや周囲温度によって変わります。
mAhとは何か
mAhは「ミリアンペアアワー」と読みます。A(アンペア)は電流、mA(ミリアンペア)はその1000分の1です。mAhは、一定の電流をどれくらいの時間流せるかを表す単位です。
たとえば10,000mAhは、単純には1000mAを10時間流せる電気量という意味です。ただし、これはあくまで電圧を考える前の数字です。バッテリーが何Vで動いているかによって、実際の電力量Whは変わります。
モバイルバッテリーでよく見る20,000mAhという表示は、多くの場合、内蔵リチウムイオン電池の公称電圧である3.6V〜3.7V前後を基準にした容量です。USB出力の5Vそのものを基準にした容量ではないことが多いため、「20,000mAhだから5Vで20Ah使える」と単純に考えると実際とずれます。
スマートフォンを何回充電できるかも、スマートフォン側のバッテリー容量、充電電圧、変換ロス、ケーブル、温度、バッテリー劣化によって変わります。mAh表示は便利ですが、製品どうしのエネルギー量を比べるときは、Whへ変換して見るのが安全です。
mAhからWhへ変換する方法
mAhをWhへ変換するには、電圧Vが必要です。式は次のとおりです。
Wh = mAh × V ÷ 1000
なぜ1000で割るかというと、mAhをAhに直すためです。1000mAhは1Ahです。電力量Whは、電圧Vと電気量Ahを掛けることで求められます。つまり、mAhをAhへ直してから電圧を掛ける、という考え方です。
たとえば、20,000mAhのモバイルバッテリーが3.7V基準だとします。この場合は、20,000mAh×3.7V÷1000=74Whです。つまり、20,000mAhという数字だけを見ると大きく見えますが、電力量としては約74Whです。

よく使う計算例をまとめると、次のようになります。
| 容量表示 | 電圧 | Wh換算 |
|---|---|---|
| 10,000mAh | 3.7V | 37Wh |
| 20,000mAh | 3.7V | 74Wh |
| 30,000mAh | 3.7V | 111Wh |
| 10,000mAh | 12V | 120Wh |
同じ10,000mAhでも、3.7Vなら37Wh、12Vなら120Whになります。この差が、mAhだけで容量を比較してはいけない理由です。
WhからmAhへ変換する方法
WhからmAhへ変換したい場合は、式を逆にします。
mAh = Wh ÷ V × 1000
たとえば500Whのポータブル電源を、3.7V基準のmAhに換算すると、500Wh÷3.7V×1000=約135,135mAhです。ざっくり約135,000mAhと考えられます。
ただし、この換算はあくまで同じ電圧基準で見た場合の計算です。ポータブル電源の内部バッテリーは複数セルを組み合わせており、製品によって内部電圧や構成が異なります。実用上は、ポータブル電源の容量はmAhではなくWhで見た方が分かりやすく、メーカー表示もWhを基準にしていることが多いです。
「500Whは何mAhですか?」という質問には、必ず「何V基準で換算するか」が必要です。3.7V基準なら約135,000mAh、12V基準なら約41,667mAh、24V基準なら約20,833mAhになります。同じ500Whでも、電圧基準が変わるとmAhの数字は大きく変わります。
mAhだけでは比較できない理由
mAhだけで容量を比べると、電圧の違いを無視してしまいます。これは、同じ「水の量」に見えても、実際には高さや圧力が違うようなものです。電気では、電圧Vと電気量Ahを掛け合わせて、初めて電力量Whが分かります。
たとえば、10,000mAhのバッテリーが2つあるとします。片方は3.7V、もう片方は12Vです。mAhだけを見ると同じ容量に見えますが、Whに変換すると3.7V側は37Wh、12V側は120Whです。12V側の方が、電力量としては大きくなります。

この考え方は、ポータブル電源とモバイルバッテリーを比較するときに特に重要です。20,000mAhのモバイルバッテリーは3.7V基準なら約74Whです。500Whのポータブル電源は、単純な電力量ではその約6.8倍です。mAhの数字だけを見て「20,000mAhもあるから大容量」と思っても、家電を動かす電力量としてはポータブル電源とは大きく違います。
容量ラベルの読み方
ポータブル電源の容量ラベルでは、Wh表記が中心です。たとえば「容量500Wh」「1024Wh」「2048Wh」のように書かれます。これは、家電を動かす時間を見積もるうえで分かりやすい表示です。
一方、モバイルバッテリーではmAh表記が多く使われます。たとえば「20,000mAh」「30,000mAh」と書かれます。製品によっては、パッケージや仕様表にWhも併記されていることがあります。飛行機への持ち込み制限などでもWhが使われるため、モバイルバッテリーでもWhを確認できると便利です。実際に飛行機へ持ち込む場合は、航空会社や路線ごとの最新ルールも確認しましょう。

ラベルを見るときは、次の順番で確認すると迷いにくくなります。
- Whが書かれているか確認する
- mAhだけの場合は、基準電圧Vを探す
- mAh × V ÷ 1000でWhに変換する
- ポータブル電源や他のバッテリーとWhで比較する
- 実際の使用では変換ロスがあることも考える
特に、USB出力の5Vと、内蔵バッテリーの公称電圧3.7Vを混同しないようにしましょう。モバイルバッテリーのmAh表示は、内蔵バッテリーの電圧基準で書かれていることが多く、USB出力5Vでそのまま同じmAhが使えるわけではありません。
変換ロスも考える
WhやmAhの計算は、理論上の容量を比較するには便利です。しかし、実際に機器を充電したり家電を動かしたりするときは、変換ロスがあります。モバイルバッテリーでは内蔵電池の3.7V前後からUSBの5Vや9Vへ変換します。ポータブル電源では内部バッテリーのDC電力をAC100Vへ変換することがあります。
そのため、計算したWhを100%そのまま使えるとは考えない方が現実的です。実際に使える容量は、出力端子、変換回路、使用する機器、温度、ケーブル、バッテリーの状態によって変わります。画像内では目安として70〜85%という表現を使っていますが、これはあくまで例であり、製品や条件によって前後します。
使用時間を見積もるときは、理論値より少し余裕を持って考えましょう。たとえば400Wh必要な使い方なら、400Whぴったりの製品ではなく、500Wh以上のように余裕を見て選ぶと安心です。特に防災用や冬キャンプのように失敗したくない用途では、容量に余裕を持たせることが大切です。
よくある間違い
WhとmAhの変換では、いくつか間違いやすいポイントがあります。代表的なものを整理します。

電圧Vを入れずに計算する
mAhからWhへ変換するとき、電圧Vを入れ忘れると正しい計算になりません。10,000mAhという数字だけでは、Whは分かりません。3.7Vなのか、5Vなのか、12Vなのかで結果が変わります。
出力電圧と内蔵電池の電圧を混同する
モバイルバッテリーのUSB出力は5Vや9Vなどですが、mAh表示は内蔵電池の公称電圧である3.6V〜3.7V前後を基準にしていることが多くあります。パッケージや仕様表にWhが併記されている場合は、その値を優先すると分かりやすいです。
mAhだけでポータブル電源と比較する
ポータブル電源をmAhで表すと、基準電圧によって数字が大きく変わります。500Whを3.7V基準で見ると約135,000mAhですが、12V基準なら約41,667mAhです。mAhの数字だけで比較すると誤解しやすいため、Whで見るのが基本です。
理論容量をそのまま使えると思う
バッテリーに表示された容量は、実際に機器へ届く電力量と完全には一致しません。変換ロスや保護制御があるため、実使用では少なくなることがあります。使用時間を見積もるときは、少し余裕を持つようにしましょう。
ポータブル電源選びではWhとWをセットで見る
ポータブル電源を選ぶときは、容量Whだけでなく、定格出力Wも確認します。Whはどれくらい使えるかの目安、Wはどれくらい大きな機器を動かせるかの目安です。
たとえば500Whの容量があっても、定格出力が300Wなら、消費電力1000Wの電気ケトルは基本的に使えません。反対に、定格出力が大きくても容量Whが小さければ、長時間の使用には向きません。容量と出力は別の指標として見る必要があります。
スマートフォンやLEDライト中心なら、容量Whはそれほど大きくなくても足りることがあります。電気毛布、車載冷蔵庫、扇風機などを長時間使うなら、容量Whをしっかり見積もりましょう。電子レンジや電気ケトルなど高出力家電を使いたいなら、定格出力Wと瞬間最大出力も確認が必要です。
ポータブル電源で見るポイント
- 容量Wh:どれくらい長く使えるか
- 定格出力W:どれくらい大きな家電を動かせるか
- 瞬間最大出力:起動時に大きな電力が必要な機器に対応できるか
- 出力端子:AC、USB-C、DC、シガーソケットなどが必要数あるか
- 変換ロス:計算値より余裕を持って選ぶ
まとめ:mAhは電圧Vとセット、比較はWhで
Whは電力量、mAhは電気量の目安です。mAhだけでは、実際にどれくらいのエネルギーを蓄えているかは分かりません。mAhをWhに変換するには、電圧Vが必要です。
変換式は、Wh = mAh × V ÷ 1000です。逆にWhからmAhへ変換する場合は、mAh = Wh ÷ V × 1000です。20,000mAhのモバイルバッテリーが3.7V基準なら約74Wh、500Whのポータブル電源は3.7V基準なら約135,000mAhになります。
ただし、ポータブル電源やモバイルバッテリーを選ぶときは、mAhの大きさだけで判断しないようにしましょう。容量比較はWhでそろえ、実際に使う機器の消費電力W、使用時間、変換ロス、定格出力Wまで確認することが大切です。WhとmAhの関係を理解しておくと、製品選びで数字に惑わされにくくなります。