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自作ポータブル電源のすすめ ~配線方法からオススメ自作キットを紹介します!~
災害時の備えやアウトドア・車中泊などで活躍するポータブル電源。しかし、既製品は価格が高く、手が出しづらいと感じる方も多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのが「自作ポータブル電源」です。今回はコストを抑えつつ高性能な電源を自作する方法を様々な家電製品を使用してみた結果と共にご紹介いたします。
- ポータブル電源って自作できるの?
- 自作ポータブル電源にオススメなLiTime製品
- 配線方法は超簡単
- どんな家電が利用できるの?動作確認と負荷テスト
- LiTime製品の品質チェック
- 自作ポータブル電源の充電方法
- 自作ポータブル電源のケース選び
- 自作ポータブル電源のメリット・デメリット
- Potaden.comがオススメする自作キット
- まとめ
ポータブル電源って自作できるの?
ポータブル電源を自作するというと素人にはできない難しそうな事と感じる方が多いと思いますが、私が唱える「自作」とは、電池や回路を自分で1から作り上げることではなく、ポータブル電源を構成する主要な部品を組み合わせてポータブル電源を作ることを指しています。
イメージとしては大きめなレゴブロックを組み立てていく感じと思っていただいて大丈夫です。
なお、ポータブル電源を構成する主要な部品は以下の3つです。
- 電池(バッテリー):エネルギーを蓄える心臓部。LiFePO4などが主流。
- インバーター:直流(DC)を家庭用の交流(AC)に変換する装置。
- 充電器(ACアダプター):家庭用電源から電池を充電するための装置。
これらを正しく組み立てることで、自作ポータブル電源が完成します。
自作ポータブル電源にオススメなLiTime製品
ポータブル電源の自作を行うにあたり、信頼性の高い部品の選定は欠かせません。
ネットで検索すると様々なメーカーのバッテリーやインバーターが出てきましたが、今回は幅広いラインアップを備えているLiTIME社(旧:Ampere Time社)製品を使用することにしました。
LiTime社は高品質なリン酸鉄リチウム(LiFePO4)バッテリーを提供しているメーカーで、サイクル寿命が長く、自然放電が少ない製品が特徴です。
特に自作用途にはぴったりで、並列や直列接続も可能な設計となっています。また、BMS(バッテリーマネジメントシステム)も内蔵されており、安全性も抜群です。
具体的な製品としては以下を選択いたしました。
バッテリー:LiTime 12V 100Ah リン酸鉄リチウムイオンバッテリー
バッテリーのスペックや特徴は以下の通り。
- 容量:1280Wh
- 電圧:12.8V
- アンペア数:100Ah
- 最大継続出力電力:1280W
- サイズ:330*172*216mm、
- 重量:10Kg
- 4000 回の充放電サイクル
- 100% BMS保護機能および3%の自然放電
付属品ついては以下の通り。
- バッテリー本体 ×1
- 取扱い説明書 ×1
- M8ターミナルボルト ×2
- 絶縁カバー ×2
てっきりバッテリーのみが届くのかと思っていましたが、インバーター等の接続に使用するボルトなどがついてきてありがたかったです。
インバーター:LiTime 12V 1000W インバーター
インバーターのスペックや特徴は以下の通り
- 定格出力:1000W
- サージ:2000W
- 出力波形:正弦波
- 周波数:60Hz
私は関東に住んでいる為普段は50Hzを使用していますが、私が使用している家電製品に60Hz非対応の物はなかったため、こちらに決めました。
また、出力波形は正弦波のインバーターに拘りたかったのもこの製品にした決め手でした。
インバーターの付属品は以下の通り
- インバーター本体 ×1
- 取扱説明書 ×1
- ケーブル ×2
- 固定用のビス等
インバーターの消費電力によって使用するケーブルの太さを変えないといけないのですが、LiTime製品のインバーターには必要とされるケーブルが付属しております。
私みたいなポータブル電源初心者には大変ありがたい付属品だと感じました。
充電器:LiTime 14.6V 20A バッテリー充電器
ポータブル電源を自作する上で意外と大事なのが充電器の選定です。
充電器の性能を良いものにすればするほど充電時間は短くなりますが、充電器自体は大きくなります。
そのためLiTIme社では14.6V 40Aの充電器がありましたが、私は20Aの物をあえて選んでみました。
付属品は以下の通り。
- 充電器本体 ×1
- ACケーブル ×1
- バッテリー接続ケーブル ×1
今回選択した3つの構成部品を組み合わせると以下のようなポータブル電源を組み立てることができます。
- 電池容量:1280Wh
- 定格出力:1000W
- サージ:2000W
- 出力波形:正弦波
- 出力周波数:60Hz
なお、パーツ選定に関して注意いただきたいこととしては、最終的に組みあがる自作ポータブル電源の定格出力はバッテリーの最大継続出力電力もしくはインバーターの定格出力のどちらか低いほうに依存するということです。
例えば最大継続出力電力が256Wのバッテリーに定格出力1000Wのインバーターを取り付けたとしてもインバーターの上限である1000Wまでは使えず256Wで頭打ちとなります。
そのためバッテリーとインバーターのスペックのバランスを見ながら購入製品を決めましょう。
配線方法は超簡単
ポータブル電源を自作する上で最もハードルが高く感じるのは配線作業だと思います。
私も正直自信があったわけではないのですが、興味があったので勇気をもって組み立て作業に挑むことにしました。
配線作業と聞くとものすごく難しそうに感じますが、実際にやってみたところ、とてつもなく簡単でした。
基本的に色に従って配線すればOKです!!
- 赤いコード(プラス)→赤へ
- 黒いコード(マイナス)→黒へ
このルールを守れば問題なく組み立てられるはずです。
今回はLiTime社の製品でそろえたこともあり、ケーブルやワッシャー、ナットなどを追加購入することなく組み立てることができました。
なお組み立てに使用した工具類は以下の通りです。
組み立てに使用したもの
- モンキーレンチ:インバーターとバッテリーのナットを締めるため使用
- 電気絶縁手袋:感電防止のための安全対策
どんな家電が利用できるの?動作確認と負荷テスト
配線が完成したので、さっそく動作確認を行います。
今回は選択したインバーターには押しボタン式の小さな電源ボタンがあるので恐る恐る押してみたところ無事電源がつきました。
次に負荷テストを行ってみました。
定格出力が1000Wのインバーターなのである程度結果は見えているところではありますが、せっかくなのでいろいろと試していきます。
省電力ドライヤー(800W)
つなげてみたところ問題なく動作しました。
ドライヤーのラベルには最大800Wと記載されていましたが、インバーター上では630W前後の表示となっていました。
省電力電子ケトル(570W)
次に旅行で使用している電子ケトルをつないでみました。
こちらの製品の消費電力は570Wですので当たり前ですが問題なく動作しました。
ヒーター(600W/1000W/1200W)
冬場足元を温めるために使っているヒーターも試してみました。
3段階あるうちの最も弱い600Wであれば動作しました。
1000Wも試してみたのですが、どうやらこのヒーター1000Wで動作させている時でも1100Wを超える時があるみたいで、そのタイミングで大きな「ピーーーーーーー」というブザー音と共にインバーターのAC電源が切れてしまいました。
インバーターを選択する際はギリギリを攻めず、ある程度余裕をもって選んだほうがよさそうです。
1200Wは試すまでもなく利用できませんでした。
トースター(1000W)
先ほどのヒーターが1000Wであるのにも関わらず継続利用ができなくて少々不安でしたが、我が家にあった1000Wのトースターはブザー音も特にならず、問題なく利用できました。
インバーター上の消費電力が1030W程度を示していたのでこのインバーターの限界はこの辺りだと推測できます。
上記以外にも1200wの電子ケトルやドライヤーも試してみましたが、どちらも開始直後からブザー音が鳴り響き、5秒程度で電源が落ちてしまいました。
家電の多くは1200Wあたりを上限として設計されているものが多いの為、1000Wという上限は少し残念ではありますが、出先で使うドライヤーや電子ケトルは使えたので1000Wというボーダーを意識し、使用する家電を選んでいけば不便と感じることはない定格出力だと感じました。
LiTime製品の品質チェック
先ほどテストにより、1000W程度の家電製品が問題なく利用できることは確認できましたが、今回はインバーターから出力されるAC電源の波形が本当に正弦波になっているかも確認してみました。
この記事では詳しく触れませんが、出力波形が正弦波ではなく修正正弦波や矩形波の場合、たとえ消費電力や出力周波数の条件がクリアしていたとしても家電が正常動作しないことがあります。
波形について詳しくはこちら:インバーターとは?基礎から用途まで徹底解説
波形の確認にはオシロスコープを使いました。
確認してみたところ、非常に美しい正弦波が出力されていました。
正直比較対象がないと良さがわからないだろうなと感じたので、自宅のコンセントのAC電源の波形も測定してみました。
それが以下の通り。
自宅のAC電源の波は少々角ばった角がある形となっていて綺麗な曲線にはなっていませんでした。
もちろん、波形以外にも出力されるV数や周波数の値や安定性なども大事になりますが、少なくてもLiTime社のインバーターはしっかりと正弦波を出力していて、とてもきれいな波形をしていることは間違いなさそうです。
自作ポータブル電源の充電方法
自作ポータブル電源は既製品と同じくACアダプターやソーラーパネル、車から直接等、複数の充電方法がありますが、私自身が自作ポータブル電源初心者ということもあるので今回は基本となるACアダプター経由での充電に挑戦しました。
実は充電器はいろいろな種類があり、その中でも注意が必要なのがリン酸鉄リチウムイオンバッテリーに対応しているか否かです。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは従来バッテリー(リチウムイオンバッテリー)と基本的なメカニズムは一緒であるものの、充電割合によって従来バッテリーとリン酸鉄リチウムイオンバッテリーでは電圧が異なるため、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを充電できない充電器もあるみたいです。
今回はリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを採用したため、リン酸鉄リチウムイオンバッテリー対応の充電器を用意することが必須となります。
内容はかなり専門的で理解が難しいですが、LiTime社では各種充電器も取り扱っているので心配な方は僕と同じくLiTime社の充電器を購入することをお勧めします。
より詳しく知りたい方はぜひこのページを参考にしてみてください。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは普通の充電器で充電できますか?
肝心の接続方法は非常に簡単で、組み立て時あらかじめバッテーに取り付けておいたアンダーソンコネクタを充電器の物とつなげるだけで充電が開始されます。
ちなみにこのアンダーソンコネクタはソーラーパネル等にもつなぐことができますのでこれ一つ取り付けておくだけで充電方法の選択肢が格段に広がります。
充電器にはLEDが内蔵されており、充電中は赤、充電か完了すると緑に光る仕様となっております。
なお、充電中は充電器に内蔵されたファンが回りますので音が気になる方は別室で充電するとよいでしょう。
自作ポータブル電源のケース選び
ここまで読んでいただけれのであれば機能に関しては既製品のポータブル電源の大差ないことが伝わっているかと思いますが、実際に使うとなると持ち運び方法を考えることが非常に大切となります。
車中泊のみで利用する方であれば車に固定してしまうという選択肢もありますが、持ち運び可能なポータブル電源として使用するのであれば配線がむき出しの状態で使用することは推奨できません。
持ち運び方法は私自身もかなり迷ってのですが、ホームセンターでちょうどよいサイズ感のプラスチックコンテナを購入し、その中に自作ポータブル電源を入れるのが最も現実的でスマートなケースだと感じました。
私が実際に購入したコンテナはこちらです。
近くのコーナンで1500円程度で購入できました。
なお、購入する前にバッテリーとインバーターの寸法は事前に測り、できるだけジャストフィットの物を選びました。
実際に収納してみるとこんな感じです。
結構ピッタリ収納できたのでコンテナによって無駄に筐体が大きくなることもなくかなり満足しています。
インバーターの向きの都合上、AC電源にアクセスしにくくなってしまったのですが、分岐ケーブルを上面に持ってくることでアクセスしやすくしています。
また、USB充電に関しては手持ちの充電器をAC電源に刺すことで使えるようにしました。
本当はバッテリー直に車用のUSBチャージャー等(入力がDC電源の物)を接続したほうが電源変換ロスがない分、より多く充電できるのですが現状はこれで満足しております。
当初はコンテナの側面をくりぬき、AC電源やUSBポートを付けることを考えていたのですが、私自身キャンプで利用するということもあり、変に加工するよりか充電したいものをコンテナ内に入れて蓋をしたほうが防水性などに強いと気づいたのでいったん加工はなしで運用していきます。
自作ポータブル電源のメリット・デメリット
ここでは実際に既製品のポータブル電源と自作ポータブル電源を使用して感じたメリットとデメリットをお伝えしたいと思います。
メリット
- 圧倒的に安い:
同容量で比較した場合、市販品の1/3程度のコストで済む。 - 自由な設計:
用途に応じて、電池容量やインバーターの出力を自由に選べるカスタマイズ性は無限大。 - 容量増設が簡単:
バッテリーを複数購入し、配線するだけで容量を簡単に増やすことができます。
デメリット
- 作る手間:
部品選定や配線作業が必要。 - サイズが大きい:
既製品と同スペックの場合、大きさや重量で優位に立つことはなかなか難しい。 - 持ち運びに工夫が必要:
上記の通りコンテナなどで整理・収納すると便利。
なおLiTime社は製品の更新も積極的に行っており、今回使用したバッテリーと同容量でありながらサイズが小さくなった製品やより小さなインバーターも登場したみたいです。
これら新商品を採用すればサイズに関するデメリットは解消できるでしょう。
持ち運びに関しては私みたいにコンテナ式をお勧めします。
Potaden.comがオススメする自作キット
今回自作ポータブル電源を自分で組み立てることでいろいろな学びがありました。
そこで得た知識をもとにpotaden.comとしておすすめな自作ポータブル電源のキットを3つほど紹介させていただきます。
自作ポータブル電源に挑戦してみたいけどどの組み合わせにすればよいか迷われている方は是非このキットを購入してみてください。
自作ポタ電キット①:中型ポータブル電源
■構成部品
このキットは私がこの記事で紹介したものと電池容量および定格出力が同じものが作成できます。
ただし、新製品を選択したことによってバッテリーが小型化していたり、インバーターが50hz/60hz両方対応になったりと進化しています。
■完成時のスペック
- 定格出力:1000W
- 電池容量:1280Wh
- AC出力×3
- USB ×2 (USB A×1、USB C×1)
自作ポタ電キット②:中型高出力ポータブル電源【オススメ!】
■構成部品
このキットは私が最もオススメする構成となります。
電池容量は先ほど紹介した構成と同じですが、このバッテリーは2C放電が対応の物となっており、バッテリー自体の最大継続出力電力が2560Wとなっております。
ですので2000Wのインバーターを組み合わせたとしてもインバーターの性能を犠牲にすることなく定格出力2000Wを実現できます。
市場に出回っている1000Whクラスのポータブル電源で定格出力が2000Wあるものはないと思いますのでドライヤーやケトル、ホットプレート等を使いたい人には大変おすすめです。
■完成時のスペック
- 定格出力:2000W
- 電池容量:1280Wh
- AC出力×4
- USB出力 ×2 (USB A×1、USB C×1)
自作ポタ電キット③:大型ポータブル電源
■構成部品
こちらは大容量高出力な自作キットとなります。
電池容量が大きい分少々大きくはなりますが、長時間消費電力が高い家電を利用して料理などを行う場合に向いている構成となっております。
■完成時のスペック
- 定格出力:2000W
- 電池容量:2560Wh
- AC出力×4
- USB出力 ×2 (USB A×1、USB C×1)
まとめ
私が自作ポータブル電源に挑戦して感じたことや伝えたいことは以上となります。
おそらくこの記事を読まれている方の多くは自作ポータブル電源に挑戦してみたいのではないでしょうか。
そうであればこの記事があなたの不安の解消、そして購入する部品の参考になっていれば幸いです。
ポータブル電源はキャンプや車中泊の時には便利アイテムとして、災害時にはライフラインとしても使える優れた商品です。
ですので私はポータブル電源は一家に一台あってもいいのではないかと感じています。
そして価格が高いという課題に関しては今回ご紹介させていただいた自作ポータブル電源が良い解決方法だと思うのでよければ挑戦してみてください。